イギリス人とウチナンチュの同性婚のお話

英国に滞在する男性同性カップル(沖縄出身日本人と英国人)の同性婚やらビザやら海外生活やらの記録です。

南城市佐敷産まれの雑種犬はロンドンへと渡りました。(前編)

いや、タイトル書いてて違和感しかないw

我らの大事な家族の一員であるCBさんは、沖縄県南城市は佐敷産まれ。2012年に友人から大量に仔犬が産まれたと朗報を受け、即引き取りに行きました。あれから、6年。まさかオランダ経由してイギリスはロンドンへ住むことになるとは。

このエントリーでは、16kgの愛犬をどうやって沖縄→ロンドンへ連れて行ったかの手順をまとめました。

まず最初に手をつけた方法…

 

①沖縄からロンドン行きの飛行機に一緒に乗せていく

沖縄からロンドン行きの飛行機はキャシードラゴンで香港経由のロンドンが最安値で、前回イギリスへ行った時もこの便を利用しました。

がしかし、直行便でないキャシー航空にはペットは乗せられないとのこと。断念。

②東京からのロンドン直行便で一緒に乗せていく

東京→ロンドンでいくつか直行便があるので、問い合わせてみましたが、「イギリス行きの便では、個人のお客様からペットをお預かりしておりません。」と回答が。

最初、何を言っているのか分からず、理解に苦しみましたが、よくよく話を聞くと、イギリス側の決まり事でペットを含んだ動物を旅客機の手荷物として入国させる事を許可していないそうです。

じゃあ、どうしたらいいかと。

個人のペットを航空機でイギリスに入国する場合、カーゴ(貨物)取扱のある代理店にお願いしなければならないとのこと。

そうですか、じゃあ見積もり取ります。

頂いた見積がこちら。

高い。

羽田空港~成田空港~ヒースロー国際空港(LHR)合計 ¥405,000 (税込)

いや、高い。人より高い。

最後の切り札として考えよう。断念。

 

③東京から直行便パリ行きで一緒に連れていく

飛行機でイギリスに入国できないんなら、車ならどう?

パリからイギリスまで海中道路通って車で5時間。

フランス到着してレンタカーしてロンドンで返却する作戦。探したら国またいで返却できるレンタカー屋さんありました。さすがEU笑

いや、でも、12時間のフライトの後に5時間運転??しかも慣れない海外で。無謀すぎる.. 断念。

 

この後 東京→ヨーロッパの直行便を手当たり次第あたった。。。

 

④東京から直行便アムステルダム行きで一緒に連れてく

調べてみるとオランダからペットを乗せてイギリスに入国できる船があるらしい。

しかも成田からオランダ航空でペットの追加料金は$200! 人間も9万円くらいで代理店にお願いするより断然安い!

最終的にこのルートに決定しました。

しかし、成田→アムステルダム直行便は朝の11:25しかないとのこと。ペットがいる場合、出発の3時間前までにはチェックインしないといけないので、8:25AM… 沖縄→成田の便でこれに間に合うものがなく、結局前日成田入りが確定しました。

ということは、僕自身のホテルとCBさんのペットホテル…😅

庭さんは、渡航費節約の為、最安値の沖縄香港経由ロンドンの便で飛ぶことにしました。

 

その前に動物検疫やら投薬やら、やらないといけないことが沢山!具体的な書類や方法、費用などはこちらのエントリーにまとめました

<<沖縄からロンドンへ犬の渡航の手順と費用>> 編集中…

 

2月27日 12:05 那覇空港→成田空港

ANAの便で、追加6000円で預け荷物としてのペットの預かりができました。

 

2月27日 15:00 ペットホテルにチェックイン後、人間ホテルにチェックイン

今回は成田空港内にあるペットインロイヤル成田エアポート店を利用しました。

しかし、ペットホテルがあるのは、第2ターミナル。

ANAは第1ターミナルに到着します。ここを考えてなかった😩

ターミナル間の移動はシャトルバスで移動ですが、なにせ移住用のどデカイスーツケースもあったので一人では無理でした。

バスの運転手さんや空港のスタッフに手伝ってもらいなんとか辿り着く。

こちらが利用したペットホテル

Petinn ROYAL | ペットインロイヤル成田エアポート
成田空港にペットホテルが登場!「ペットイン 成田エアポート」安心・便利・快適・清潔です。

 

2月28日 8:00 オランダ航空へチェックイン

早朝に、宿泊先のホテルから無料シャトルバスを利用し、ペットホテルのある第2ターミナルへ。CBさんピックアップし、ターミナル間シャトルバスで移動。カウンターでチェックインを済ませます。

チェックイン時に動物検疫所から発行された書類を航空会社に提出しました。

オランダ航空は10kg以下のペットなら機内持ち込みも可能なペットフレンドリーな航空会社だけあって、スムーズに手続きが済みました。

さて、ここからオランダはアムステルダムまで約12時間のフライトです。

 

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続きは後編で。(編集中)

 

日本で進む自治体や企業の同性パートーナーシップに対する対応ニュースまとめ(随時更新)

 

自治体・公共団体

民間企業・サービスなど

沖縄を離れる選択、ロンドンそしてダブリンへ移住

時は経ち、2017年12月。

庭さんはまだフルタイムの仕事を見つけられず、このままだと就労ビザが無効になる…
入国管理局の担当の方には、「今年中には…」とある程度考慮してもらっていますが、ここまで仕事がないとは。

 

同性婚した庭さんの日本在留も、不許可だったし。
既に5年の就労ビザを取得している庭さんの条件で沖縄で仕事を探すには、厳しすぎました。やはり日本語が皆無なのが1番のネックだった。まぁしょうがない。

 

日本語が出来ない中で仕事を探すのは、想像通り厳しい道のりです。

沖縄なら英語だけでいけるっしょと思ってたのが甘かった。

ましてや配偶者ビザが認められないので、バイトはおろか滞在すら出来ないし、生活しながら日本語を覚えるのも無理。琉球大学の日本語コースに留学で学生ビザに切り替える案もあったが、資金面と開始時期がネックで断念。

 

「どこかもうちょっと大きい都市にいこう。そしたら、英語で仕事できるチャンスがもっとあるはず」

 

 

「うん、、せやな」

 

 

まぁ、そのビザや就労の問題もあり、同性カップルの日本社会での生きにくさもあり、ふたりで沖縄を離れることにしました。

 

まず、候補に上がったのは、台北

 

数年前に初めて行って都市の大きさにビックリ。こんな近くにこんな大都市があったとは。

そのあと何度か行って、いい思い出もあるし、仕事柄、台湾人と接する機会が多く、フレンドリーで印象がよかった。

早速、年末で高くなる前に台北視察へ出向。

 

今回は旅行ではなく、実際に住むつもりで色々と視察。

毎回お願いしているAirBnBのオーナーにもアドバイスをもらいながら、情報を集めました。

台北なら庭さんも英語教師で結構稼げるみたいだし、僕も日系企業も多くあって職には困らなそうだった。

何より、沖縄に近いし、飯もまぁまぁうまいし。

 

でも、

なんか、違った。

いや、台北好きだし、気に入ってるんだけど

いざ住むとなったら、んーーなんかなぁああ という感じ。
英語も日本語もかなり通じるとはいえ、わざわざ二人とも分からない中国語圏に住むか??

何よりコンビニのあの煮卵の匂いが嫌だ(ごめん、台湾の人;)

 

沖縄に戻ってきて、また吟味し直し。

その後、ニュージーランドスコットランドトロント、ロンドン、福岡、京都と移住先候補があったが、どれもしっくりこなかった。

 

そんな中、ちょうど二人でテレビに突如現れたのがこれ。

  

 

テレビで。「世界ふしぎ発見!」で。「スターウォーズ聖地巡礼」とのこと。

ここで二人とも顔を合わせ…. ニヤリと。

このとき、ダブリン行きが決定したと言っても過言ではないw

 

まぁ、と言っても、特別にスターウォーズのファンではないですが、そのあとアイルランドやダブリンのことに調べて行くといいこと沢山!

都市だけどいい感じのサイズ感だし、人も良さげだし、法人税安いし、EUなら色々手っ取り早いし、自然豊かだし!

参考:アイルランド移住|海外の暮らし・気候・治安情報【海外移住.com】

 

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そんなこんなでダブリンへの移住が決まり、仕事へ辞表を出しました。←速攻だったw

とりあえず、庭さんの実家があるロンドンへ一旦拠点を置いてダブリンで住む場所と仕事を探そうということになりました。

今度は僕のビザの問題が続出!
そしてこの移住には南城市佐敷生まれの犬も連れて行くのです。これも大変だった。
そのあたりまた別エントリーで書きたいと思います。

同性婚をした英国人の旦那さんの日本在留ビザは認められませんでした。

2017年6月に申請した、庭さんの滞在ですが、結果が返ってきました。

これが郵送で同封されていた手紙

あなたから申請のあった在留資格変更許可申請については、下記の理由により不許可と決定したので通知します。
(理由)「特別活動」の在留視覚への変更を適当と認めるに足りる相当の理由があると認められません。
(根拠となる事実)
「日本人の配偶者等」と同様の活動を行う者として入国・在留を認めるまでの事情があるとはいえません。

期待してただけに、手紙を見たときには正直、ショックでした。

「理由」と「根拠となる事実」の関係がよく分からないし、結婚しても”「日本人の配偶者等」と同様の活動を行う者”じゃないってどういうことや!パートナーシップとったら、自治体でLGBTマイノリティをサポートするんじゃないんかい👏

まぁ、色々と突っ込みどころはあったのですが、担当の方もすごい悲しい顔されてました。彼女も例の通知がこのケースにも適用されるのでは、と思っていたそう。

今回の変更申請のきっかけになった法務省からの通知がこちら

法務省管在第5357号
平成25年10月18日
地方入国管理局長殿
地方入国管理局支局長殿
法務省入国管理局入国在留課長 石岡邦章
同性婚の配偶者に対する入国・在留審査について(通知)
在留資格「家族滞在」,「永住者の配偶者等」等にいう「配偶者」は,我が国の婚姻に関する法令においても有効なものとして取り扱われる婚姻の配偶者であり,外国で有効に成立した婚姻であっても同性婚による配偶者は含まれないところ,本年5月にフランスで「同性婚法」が施行されるなどの近時の諸外国における同性婚に係る法整備の実情等を踏まえ,また,本国で同性婚をしている者について,その者が本国と同様に我が国においても安定的に生活できるよう人道的観点から配慮し,今般,同性婚による配偶者については,原則として,在留資格「特定活動」により入国・在留を認めることとしました。ついては,本国で有効に成立している同性婚の配偶者から,本邦において,その配偶者との同居及び扶養を受けて在留することを希望して「特定活動」の在留資格への変更許可申請がなされた場合は,専決により処分することなく,人道的観点から配慮すべき事情があるとして,意見を付して本省あて請訓願います。なお,管下出張所長へは,貴職から通知願います。
(通知終わり)

手紙には上記のように書かれてますが、要は、この通知の「特別活動ビザ」は自国で既に同性婚をしている在日外国人のための者で、しかもこれを取得するには、両者の国で同性婚を認めていなければいけないそう。
つまり、日本は同性婚を認めていないので、カウントされないとのこと。

アメリカ籍 x イギリス籍 は在留OK
台湾籍 x オーストラリア籍 は在留OK

ノルウェー籍 x 韓国籍はダメ
日本籍 x イギリス籍 はダメ

ということになりますね。変な話。
なにやら、元々大使館勤務の在日外国人のパートナーを日本に連れて来れる様に特別通知を出した様で、とってつけた感がすごいですね、裏で権力者が糸を引いてる感すごいですね; 
元々「家族滞在ビザ」の代わりの「特定活動ビザ」なので、「日本人の配偶者等ビザ」の代替にはならないとのことです。

本当に”人道的観点から配慮すべき事情がある”としてくれるなら僕らのケースも認めてくれたはずです。

この不許可に対して、不服申し立ても考えましたが、担当の方がまた同じ結果で、厳しいだろうということで諦めました。

その後、とある国会議員に掛け合ったり、なんとかビザがおりないか試みましたが、どれもNG。

認めてもらうには本格的に裁判しない限り「厳しい」とのこと。

「厳し」くてもやってやろうじゃないか!という思いもあったが、予算も猶予期間も短く断念。

最近になってようやくあらゆる媒体がLGBTのことが取り上げられる様になりましたが、パートナーシップを登録しても、こういう法律的な部分でストレートカップルで”当たり前”なことをするのが”厳しい”環境がまだまだ存在します。周りでも結構勘違いしてる方が多いのですが、パートナーシップ登録と同性婚は全くの別物で、日本はまだ同性婚を認めていません。日本はまだ同性婚を認めていません👏🏻

全国でこの問題に取り組んでらっしゃる方も結構いる様で、1日でも早い解決を望みます。

こちらは外国人同士の同性婚の特定活動ビザを取得した記事

那覇市で17番目の同性パートナーシップの登録しました。

 

兼ねてよりお付き合いをしている交際相手と那覇市でも同性パートナーシップの制度にも登録をしてきました。

那覇市は2016年7月より独自の同性パートナーシップ制度を開始しています。

本市では申請に基づき、「戸籍上の性別が同じである2人」が互いを人生のパートナーとするパートナーシップ登録を行い、証明書を交付する取り組みを今月から開始いたします。
今回のパートナーシップ制度の導入は、当事者の方々から「存在が社会的に容認されると感じられ、精神的な支えになる」との早期導入を求める声に応えるものでございます。
申請できる対象者の条件
1. 互いを人生のパートナーとし、継続的に共同生活をしている、
又はそうしようと約束していること。
2. 2人の戸籍上の性別が同一であること。
3.  20歳以上であること。
4.  住所につき、下記の①②③のいずれかに該当すること
①2人とも那覇市民であること。
②1人が那覇市民、もう1人が市内への転入を予定していること。
③2人とも市内への転入を予定していること。
5.  下記の①②に該当する、1対1の関係にあること
①配偶者がいないこと。
②申請者以外の者とのパートナーシップの関係がないこと。
申請に必要な書類はこちら
那覇市パートナーシップ登録申請書
② 住民票抄本 (それぞれ各1通)
③ 戸籍抄本  (それぞれ各1通)
④ 本人確認ができるもの(写真付きは1点、写真がないものは2点確認します)

しかし、イギリス人の庭さんは戸籍を日本で持っていないので、代わりに自国から発行される「独身証明書」を持参するように言われました。

その証明書を取得するには、イギリスの出生届?が必要らしく一旦イギリスまで戻らないといけないとのこと。もともと独身を証明するための物なので、この事情と、イギリス大使館同性婚をすることを担当の方に伝えた所、柔軟に対応していただけました。代わりになる誓約書を提出し、なんとか申請書類を揃えることができたのです。

ちなみに、相手が外国籍の場合、当たり前ですが、パスポートと在留カード、日本の保険証などがあればよりスムーズに行くと思われます。

登録までの流れ

1. 電話で申請日を予約 (なは女性センター:098-951-3203)

少人数で運営しているようで、急な予約ではなく相談しながら日時を決める感じでした。また、個室の使用状況にもよるみたいです。

2. 必要書類を申請日までに用意

※戸籍抄本は本籍地の役所でしか取れないので注意

3. 予約日に2人揃ってセンターを訪問

4. センターの個室で、書類の記入や確認事項の読み合わせ

2名の職員の方が確認しながら進めます。

5. 1週間程度で担当の方から電話があり、受け取りの日時を決める

今回はまだ登録数も少ないということで、週末を挟んで4日程度で電話がきました。

6. 証明書交付

センターは夜9時までやっているということで、事前に伝えさえすれば、仕事終わりでも取りに行けるのでかなり便利でした。受け取りは1階のカウンターで1人でも大丈夫です。僕らは2人で行きましたが、職員の方も「おめでとうございます」と証明書を渡してくれたので、より現実味が増しましたね。

ちなみに証明書はこういう感じです。

紙一枚かな?と思っていたけど、きちんとカバー?も付いていてセンターの細かい気遣いが感じられました。他の自治体より華やかだそう:)

職員の方々も皆さん、暖かい雰囲気で迎え入れてくれたので、スムーズに申請が済みました。ちなみに僕らの登録は那覇市で17番目。外国籍のパートナーの組み合わせは2組目とのこと。
制度開始から1年が経ちますが、同じようにパートナーシップ制度を導入している都市と比べて、人口比率からするとかなり多いとのことです。

ちなみに、興味本位で聞いたのですが、那覇市のパートナーシップの登録は、男性同士のカップルと女性同士のカップルは半々くらいだそうです。

こうして、無事パートナーシップの登録も終え、那覇市公認の同性カップルとなりました!

 

このブログについて

イングランド在住の日本人(僕:沖縄出身20代後半)とイギリス人(庭さん:ロンドン出身20代後半)とCBさん:南城市佐敷出身ミックス犬(6歳後半雄)の日本でのパートナーシップ、同性婚やら海外生活やらの体験談です。

日本で法的に認められていな同性婚をすることは、予想外のところで色んな壁がありました。

様々な体験の手順や感じたこと、思いも含めてつづっています。

僕自身も様々なブログの情報に助けていただいたので、1つのケースとして、国際結婚の記録を見守って頂けると嬉しいです。